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理事長挨拶
現在の日本は、様々な国内外の問題に直面し、各方面において対応を迫られています。
【災害・エネルギーに対する考え方】
東日本大震災のような地震や津波、また昨今たびたび起こる豪雨による河川・水路の氾濫や土砂崩れなどの災害は、わたしたちの住まいや仕事などの拠点となる土地の地勢、地盤、ライフライン、また建物の耐震性、検査、修繕履歴など、街づくりの段階から考え方を変える必要が出てきました。建物を建てる場所として、ハザードマップなどで公開されている災害危険地域を避けて選ぶようになってきております。
歴史をさかのぼれば過去にも大災害は多く発生しており、その都度、先人達は知恵として後世に伝えようとしてきたようですが、経済の発展や生活の利便性を優先したが故に、災害の恐ろしさを忘れ、我々は長らく思考が停止してしまったようです。
また、菅内閣総理大臣が2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言し、これまで原発に依存してきたエネルギー政策から他の様々なエネルギーへのシフト、スマートハウス(再エネ+蓄電)などに見られる小さな自前のエネルギー設備や蓄電装置の設置、自動車の脱石油化など社会をあげて大きな変革に取り組んでいくようになってきています。
【人口減少・少子高齢社会】
いま、日本国内では人口減少の時代に入りました。そして、少子高齢化・長寿高齢社会化により、認知症になったときや相続が発生したときの悩みなど生活と人生の上での問題が増えてきています。また、財産である不動産は、これまではどの不動産でも相応に価値はありましたが、今では収益性の高いものでないと価値が無くなってしまい、それをどのようにして収益性を高めるか、いかにコストを下げるか、高い知識と専門性をもって利用計画を立てないと、財産となるものが負の資産となってしまうという時代になりました。これらの諸問題を解決することが、今後は社会から望まれています。
【空き家や所有者不明土地問題】
平成25年の土地統計調査で全国に空き家が増えていることが問題となり、翌年「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が公布されました。当地愛媛県においては、住宅総数に対する空き家率(二次的住宅を除く)が16.9%で全国ワースト2位の汚名を頂戴することとなり、当協会は愛媛県内の空き家問題に積極的に取り組むこととなります。これほど空き家が多くなった要因は人口減少と都市部への一極集中で若者が他県へ転出して帰ってこないによります。
次に、空き家問題だけでなく、「所有者不明土地問題」が浮上します。土地の所有者が不明化して、その面積が九州の面積を越えているといったものです。そこで、「所有者不明土地の利用の円滑化に関する特別措置法」が平成30年に施行され、このような問題を解決するべく法律の手が入ります。
【新型コロナウィルス(COVID-19) の世界的感染】
2019年12月中国武漢で発生した新型コロナウィルスが2020年1月に日本にも感染し、その後全世界にパンデミックし、日本においては、第2波、第3波と2021年に入ってもまだ先行きが見えない状況が続いております。
その影響は経済にも打撃を与え、私たちの暮らしも大変厳しいものとなっています。これまで経験のない事象に先行きの不安が社会を苦しめます。
しかし、ワクチンも開発され、「明けない夜はない」と信じて、これからの社会がどうなるのかを想定しながら、みんなが対応をしていこうとしています。
世界中に降ってわいたコロナ渦は、社会をすばやく変革する機会を与えてくれたのかもしれません。
【当協会のこと】
特定非営利活動法人(NPO法人)愛媛県不動産コンサルティング協会は、不動産にまつわる諸問題に対応できる知識や経験を備えた専門家集団です。当協会は平成7年に設立され、また平成15年に愛媛県からNPO法人として認証を受けました。当法人は、現在愛媛県内の不動産コンサルティングマスターや不動産鑑定士、税理士、行政書士、ファイナンシャルプランナーなどで構成され、これまで数多くの研修を行ってきています。志も高く専門的な資質も兼ね備えた会員の集まりです。
当法人は、平成24年度には、社会的弱者の保護を目的に任意後見人・成年後見人等の養成、並びに地域住民の及び不動産に付随した民事にかかる紛争をADR法に則り、紛争当事者の和解の支援をすることを定款に加え、今後これらの問題にも取り組んでいくこととしました。
特定非営利活動法人(NPO法人)愛媛県不動産コンサルティング協会は、今後ますます社会や顧客に貢献できるよう活動していく所存です。